都営荒川線、鬼子母神駅で降りてみました。
昔、未来劇場のアトリエ公演を観に来て以来なので10数年ぶりに降り立ちます。
荒川線に並行する道路の拡張で、すっかり様変わりしてしまっている。
かつて未来劇場のアトリエがあった民家も見当たらない。
思い出に浸っていても仕方ない。
真っ直ぐ鬼子母神へ行ってみよう。
素朴な疑問だけど鬼子母神って、きしもじん? きしぼじん?
都営荒川線の駅名は「きしぼじんえき」になってますが、
鬼子母神 のお堂 ( お寺さん ) は「きしもじん」と称しています。
そんなことを考えながら、参道を歩いていたら…
路地にお揃いの柄のにゃんこ
手前は若くて、奥の子はお年寄りっぽい
見られているのがわかるんだ、ちょっときどってる。
座り込んで猫を見ていたら、私の後ろで「にゃ~」という鳴き声。
にゃんこの耳も反応している。
振り返ると、おばあちゃんが猫の鳴き真似をしてました。
「あなたも猫好きなの? 私も大好き。雑司ヶ谷って猫が似合う町よね」と、
おばあちゃんが笑った。
おばあちゃんから、この界隈の話を聞きました。
もうすぐ おえしき あるんですって。
「おえしき」っていう言葉が聞き取れなくて、何だろうと思ってたら。
「あれ、あれ」と、指をさす。
玄関先に四角い箱がかかってます。「お会式」というのか。
玄関先にお会式のポスターがありました。
豊島区のホームページによると、お会式とは
享和・文化文政の頃から日蓮上人の忌日を中心とした、毎年10月16日から18日に行われている
伝統行事です。
白い和紙の花を一面に付けた、高さ3~4メートルの万灯を掲げて、団扇太鼓を叩きながら
鬼子母神まで練り歩きます。万灯が幻想的な夜の練り供養をまだ見たことがない方は、
今年こそぜひご覧ください。
町内ではこの時期になると、白い花を一緒に作ってくれる人を募集するそうです。
凄く沢山作らなければいけないので人手がいるらしい。
白い花って、運動会の時に作ったあの花のことかしら、楽しそうだなぁ。
来年、参加してみようかな。
境内の前までやってきました。
絵を描いている方がいます、あちらにも、こちらにも。
サークルかな。
皆で集まって絵を描く、楽しそう。
境内に古い駄菓子屋さんが見えます。
上川口屋、創業1781年という看板が。
えっ? 1781年って231年も前じゃないか、凄い。
駄菓子の棚に、猫が寝ていました。
すやすや
※ 上川口屋さんのことは、こちらのサイトさんに詳しく書かれていました。
反対側には「おせんだんこ」と書かれた茶店がありました。
おせん団子の名前は、鬼子母神に千人の子どもがいたことにあやかり、たくさんの子宝に恵まれるようにという願いに由来しているそうです。
みみずくの像だ
こっちの椅子もみみずく
鬼子母神には、みみずくにまつわる昔話があるそうです。
『すすきみみずく』
すすきみみずくは、豊島区の郷土玩具で、ススキの穂を束ねて作られたみみずくの人形なんだそうです。
昔々、貧しくて病気の母親の薬が買えなかったお久米という女の子が、鬼子母神に毎日お百度参りを続けていました。
お参りをして100日目、お久米の夢の中に鬼子母神が現れて、「ススキの穂でみみずくを作り、それを売って薬代にしなさい」と告げました。
お久米はお告げに従い、鬼子母神の境内でススキみみずくを売ったところ、飛ぶように売れて、薬を買うことが出来たというお話。
そういえば、豊島区のあちこちで《みみずく》《ふくろう》を見かけます。
池袋駅にあるスポット「いけ-ふくろう」もしかり、雑司ヶ谷の「すすきみみずく」なども、
豊島区が《ふくろう》をシンボリックに扱っていることと関係あるようです。
区の形が、ふくろうが羽を広げているような形というのも関係があるとかないとか。
そうそう。
舞台芸術交流センター「あうるすぽっと」のマークもふくろうでした。
下がそのマーク⤵
凄くいいデザイン、大好きです。(※ owl(あうる)はふくろうの意)
境内を出たところに何ともノスタルジックな建物がありました。
左側のマンションと好対照な建物。
関洋装店と書いてある。
窓から時代を感じさせるミシンが見えました。
《後日談》
2013年に日本テレビで放送された「woman」主演:満島ひかり のロケ地として使われていました。
設定は、主人公 ( 満島 ) の離別した母親 ( 田中裕子 ) が再婚相手 ( 小林薫 ) と営んでいるテーラーとしてです。
ちょこっと立ち寄った鬼子母神ですが、見どころはもっともっとありそうです。
近い内に、もっとゆっくりお邪魔をしようと思います。
今日はこれで失礼をば。